人生とは旅である

日々の体験を通して考えることを大切にしていきます。

死ぬ前と仕事

末期の大腸がんを患っている今井雅之さんのインタビューがマスコミを賑わせている。

ガリガリに痩せてしまって覇気がなく相当に体調が悪いだろうことが想像でき見ていてつらくなってくる。

残念ながらもう長くはないことだろう。

あと20年、30年生きられる身体ではないと思う。

あの様子からするともってあと数年だろうと思う。

彼自身も死期が迫っていることを身体で知っていることだろう。

病とは苦しいものだ。当たり前のことだけど1人の人間の容貌の変わり様を見るとそれを痛感する。

今井雅之さんの場合は仕事に命をかけてきた人生だったようだ。

彼にとって芝居(仕事)が人生そのものであり全てだったように伺える。

芝居がなければ彼の人生は語れないほどのものだったのだろう。

インタビューで言っているように芝居を降板しなければいけないことが死ぬほど苦しいと言っていたから。

私にとって仕事の価値観は彼とは全然違う。

私が死ぬ時に仕事が続けられなくなることが死ぬほど苦しいとは決して思わない。

口が裂けてもそんなこと言えないし、思わないだろう。

私にとって仕事などどうでもいいことの最たるものだ。

仕事など明日からなくなっても一向に困らない。

本当に死ぬほどどうでもいいことである。

仕事に命をかけている人の気持ちもわからない。

価値観が違うのだから致し方ない。

私が仕事に重きを置かないのは一重に仕事に虚しさそのものを感じているからである。

私にとって仕事とは虚しいことそのものである。

仕事に命をかけました。その結果死にました。

こういう人生だけは送りたくないと思っている。

たとえ実力があって他人から評価されて知名度が上がって金が儲かっても仕事に命をかけるのだけは私の価値感にはそぐわない。

死ぬ時にまで仕事という1つの世界や価値感にしがみつきたくない。

自分は自分であって仕事ではないからだ。

もちろん、趣味や道楽みたいなものにもしがみつきたくない。

ただ、仕事にしがみつきながら死んでいくよりもまだ趣味や道楽にしがみついて死んでいくほうがマシだとは思う。

なぜなら仕事にしがみついて死んでいくのはなんだかとてつもなく虚しく感じられてしまうのだが趣味や道楽に溺れながら死んでいいくのは微笑ましいというか笑える部分があるからである。

どうせ1人の人間が死んでいくことに変わりはしないし、それで地球がひっくり返るわけではない。

1人の人間が死んだところでまるで何事もなかったかのように地球も世の中も回っていくだけだ。

どんなに仕事にしがみついても死ぬときは死ぬし、死んでから仕事をすることはもうできないし、あの世に仕事を持っていくことだってできやしない。

そう考えるといつでも仕事を手放すことができるように自分を鍛えていくほうが道理に合っていると自分は思っている。

命がけの振りをして仕事をするのはいいのだが本気で命をかけて四六時中仕事のことだけを考えているのはどうもおかしく感じる。

仕事はあくまでも人生の一部である。

私という人間が生きていてそこに仕事が後からくっついてくるだけである。

私という人間が産まれてきて仕事をして金を稼いで死んでいくというだけである。

仕事が先にあってそれに合わせて私が産まれてきたわけではないのだ。

私という存在を常に先行させなければならない。

仕事の奴隷になってはいけないのだ。

人間という存在そのものにもしも価値があるのならばただ生きているということに価値があるのであって仕事に価値があるわけではないのだ。

仕事が多少できてもできなくても1人の人間がなぜかふと生まれてきてどうやら生きているということそのものが価値を持たねばならないはずである。

今回の今井雅之さんのインタビューを見ていてそういったことを考えさせられた。

私は彼のように最後まで仕事にしがみつく人生だけは決して送りたくないと強く思った。

彼を見ていて可愛そうな気持ちになったけれどそれよりも何よりも強烈な虚しさが残った。

最後の最後まで仕事のことを考えていて偉いだとか素晴らしいだとか真面目だとか色々な意見があるだろうが私は虚しいとしか感じられなかった。

人生は仕事だけではないはずである。

仕事は人生の一部でしかない。

もっと世界は広いはずだ。

他にやるべきことがあるはずだ。

いや他にやるべきことなどそもそもないのかもしれない。

でも周りを見渡してみると色んな人が色んなことをやっているのだからそれを賞味する必要があると思う。

しかし、仕事人間は自分が仕事をすることだけに囚われてしまっている。

周囲に溢れている他人の仕事に関して無関心になってしまっている。

こういう人生は虚しいと思う。

とかなんとか言っているうちに私もこの世からいなくなるのだろうな。