人生とは旅である

日々の体験を通して考えることを大切にしていきます。

仕事の本質とは・・

現代日本に住んで普通に働いていると、仕事の本質を勘違いしそうになることがある。

どこかに楽して金を稼げる職場があるのではないか?苦労して汗水流さなくてもそこそこのお金をもらえる職場あるのではないか?と思うことである。

実は、こういう「良い」職場というのは確かに存在する。

私が今働いている職場は明らかに「良い」職場である。

色々な職場で働いた経験からそう断言できるのだ。

こうした偶然的な幸運を掴んでいる人々(私のような・・?)が時々いるから世の中は余計にややこしくなっているという面もある。

しかし、原則的に仕事というものは全然楽でも楽しくもなく苦しくて汚くて嫌でつらいのが当たり前だ。

私がインドを旅していた時に見た時の光景は鮮烈であった。

インドの川というのはゴミが大量に捨てられていて極度に汚く、臭く、汚染されていてとても指1本触れたくないような代物であることが多いが、そのようなゴミだらけの汚すぎるドブ川に浸かってゴミ漁りをしていた人を何人も見たのだ。

日本人が同じことをしたら間違いなく1日か2日で病気になるレベルの汚い川である。

しかもそんなリスクを犯して汚い川に挑んでヘドロの中から臭いゴミをかき集めて売ったとしてもほとんどまともな金にならないであろう。

売ってお金になるようなものは川に捨てないからである。

しかし、そんな二束三文にならないようなごみをかき集めて売って生活している人達がたくさんいるという現実を目の当たりにして現実の過酷さを思い知らされたのである。

私にとってあの光景は仕事の本質であり、労働の原風景だと思っている。

危険なリスクをおかして最高に汚くて臭い水の中に身体をつけて金にならないごみをかき集めてなんとか一日の飢えをしのぐ程度の食料を手に入れる生活。

当然、ごみ漁りで家族を養っている人もたくさんいることだろう。

家族を養うと言ったって本当に微々たるお金で貧しい食事を分け合っているのだと思う。

ああいう壮絶な光景を目の当たりにするとますます日本社会における労働に対する価値観というものが疑わしくなってしまう。

日本では「自分が本当にやりたい仕事を探そう」とか、「自分が本当に楽しいと思える仕事をしなければ意味がない」とかの価値観が蔓延している。

これはこれで確かに真理を含んでいるので否定しないし、私自身もそれなりにやりたい仕事をしているし、楽してそれなりのお金を稼いでいるのが現実なのでとても責めることはできない。

しかし、よくよく考えてみるとやはりなんかとても違和感を感じるフレーズなのも確かである。

楽しい仕事なんてものがこの世にあるのだろうか?ということである。

仕事とは確かにその人に合うか合わないかという適性の問題は大きくあるから適性がない仕事はそもそも続けられないことも確かであるがそれはさておき、「楽しい仕事」とか「やりたい仕事」というのはちょっとずれている気がする。

仕事というのはそんな生易しいものではない気がするのだ。

っていう自分は楽して金を稼いで何をしているのだ?という疑問が自分を突き刺してくるのを感じているが、理性的に考えると確かにこのように感じてしまうのである。

インドの貧しい人達の仕事である「ドブ川でのゴミ漁り」を例にとってみるとよくわかるのだが、普通に想像してそこに「楽しい」と思える要素はほとんどない。

時々、金になりそうな良いゴミを拾ったら嬉しいくらいの喜びや楽しみはあるだろうけど基本的には臭くて汚くて危険な川の中に身体をつけてゴミを漁る行為が楽しいはずはないのだ。

「お金」さえあれば誰が好き好んでこんなことをやるだろうか?と考える。

貧しくて金がなくて他に仕事もない(インドはカーストなど複雑な問題を抱えていて余計に職業選択ができないという面もあるが・・)ので致し方なくやっているだけである。

そして、それによってなんとか飢えをしのいでいるだけである。

彼らには何の社会保障もないのだ。

病気になって働けなくなったら当然金がなくなって食えなくなるから死ぬだけである。

蓄えだってほとんどないだろう。

インドでゴミ漁りで一発当てて金持ちになったなどという話は聞いたことがない。

高知県四万十川みたいな清流につかって、新品の冷蔵庫やテレビやパソコンが落ちているのを手当たり次第拾っていくというような状況ではないのだ。

彼らは夢も希望も何もない中でヘドロの中を這いずり回って生きているだけである。

しかし、こうした壮絶な事実こそが我々に労働の本質を教えてくれているというのも確かである。

仕事とは本来、やりたくないことをやることである。

つまらなくて苦しくて耐えられないくらいつらいのが当たり前である。

仕事の中に少しでも良いところがあったり楽しみがあったりするなら感謝しなければいけないのだと思う。

そして、その感謝の気持ちを忘れた人間は真っ逆さまに転落していくと思う。

日本は仕事に「希望」を見出そうと躍起になっている国である。

「仕事」にかけている国である。

だからこそ仕事に関する色々な「幻想」が生み出されているが仕事にくっついているこうしたプラスの側面やイメージについて一度考え直すべきだと思っている。

仕事なんて所詮、つまらないのが当たり前。

楽しくても楽しみすぎてはいけない。

頑張りすぎてもいけない。

ほどほどに生活ができれば良いのだ。

常にインドなどの貧しい国で過酷な環境で働いている人達がいることを忘れてはいけないと思う。

ただし、仕事に感謝が見いだせなくなったら即刻やめるべきだと思う。

仕事とは誠にもって不思議な営みだと思っている。


People bathe and throw garbage in the same holy ...