人生とは旅である

日々の体験を通して考えることを大切にしていきます。

小さな市民

朝新宿のカプセルホテルで目を覚ます。

今日まで休みだ。

朝、仕事のことを考えなくても良いなんて贅沢なこと。

カプセルホテルをチェックアウトし、歌舞伎町を歩く。

ホストクラブの前でホストとその客と思われる女が同伴帰宅するところに出くわす。

朝の歌舞伎町を歩いているとこうした光景がしょっちゅう目に入る。

まるで別世界に生きている人達。

そして、いつも通りジムへ。

身体を鍛える。

私は、小さな市民だ。

風が吹けば飛んでしまうような小さな市民である。

しかし、よく周りを見渡してみても同じように小さな市民達で溢れている。

小さな市民が集まり、大きな都会が形作られている。

小さな市民達の小さな活動や仕事の集大成で大都会が見事に運営されている。

この不思議さに感動する。

その後、大学時代に住んでいた最寄りの駅へミニトリップ。

その駅を出てすぐのところに美味しいラーメン屋がある。

久しぶりにそこで昼飯を食う。

そのラーメン屋の店主さんは厳しくも暖かい人で好感がもてる。

ラーメンも抜群に美味しい。

もう15年以上も変わらず営業しているなんて凄い。

大学時代にバイト明けでよくラーメンを食って帰ったことを思い出す。

ついでに最寄り駅付近をふらふらと散歩する。

大きくは変わっていないけど細かなところはだいぶ変わってしまっている。

「あの時はこうだった」という思い出が蘇ってきて懐かしい。

「あの時」はいったいどこに消えてしまったんだろう?

私の過去はどこにあるのか?

いまだによくわからないでいる。

ただ懐かしい思い出として脳裏に焼き付いているだけだ。

毎日仕事に出なくても良かった大学時代はなんて守られていたんだろうと思う。

一度社会に出たらもう後戻りできない。

そこから先は自分で稼いでなんとか生きていくしかない。

しかし、一度自分で稼ぐ自立の味を知ってしまうともう後戻りしたくはない。

お金は他人から貢いでもらうよりも自分で稼ぎ出して自分で使った方が気持ちいいし楽しいものだ。

そう考えると私は大学を卒業し社会に出て働くことでようやく晴れて小さな一市民の仲間入りを果たしたわけだ。

大学時代は小さな市民ですらなかったのかもしれない。

しかし、やはり何度考え直してみてもあの時代が一番自由で楽しかった。

社会人になると決まりきったスケジュールで仕事が容赦なく襲い掛かってくる。

寄せては返す波のように仕事が寄せてきては引いていく。

学生時代はもっともっと時間があった。

物事に悩む時間があった。

昨日も今日も、明日も暇であった。

日本ってやはり良い国だと思う。

「小さな市民」という言葉は私尊敬する作家であり、旅人であり、活動家である小田実さんがテレビで使っていたのをヒントに借用しました。↓


小田実 「遺す言葉」 - YouTube