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人生とは旅である

日々の体験を通して考えることを大切にしていきます。

深夜特急 第三便 飛行よ飛行よ

久しぶりに沢木耕太郎さんの名著「深夜特急 第三便 飛行よ飛行よ」を読み直す

深夜特急〈第三便〉飛光よ、飛光よ

深夜特急〈第三便〉飛光よ、飛光よ


~本文引用 P76~

ふと、香港を思い出した。さっきまで乗っていたフェリーが香港のスター・フェリーを連想させることになったのだろう。

そういえば、あの時も、訳のわからぬまま暗くいかがわしげなホテルに連れてこられ、これから自分はいったいどうなるのだろう、と不安に思ったものだった。

今、このイスタンブールでも、思いがけない成り行きから名前も定かではないオンボロ宿に泊まり、これからどうなることやらと考えている。

しかし、同じような状況にありながら香港の時のような沸き立つような興奮がないのはなぜだろう。あの時は、冷房が効くかどうか心配だったのに、ここでは暖房がないために震え上がっているという差だろうか。

確かに、寒さが気持ちを凍らせてしまっているということもないではない。あるいは、アンカラで会ったゲンチャイとの時間が、整理しきれないまま体の奥深いところに沈殿しているためだろうか。それもある。

だが、恐らく、最大の理由は時間にあった。毎日が祭りのようだったあの香港の日々から長い時間が経ち、私はいくつもの土地を巡ることになった。

その結果、何かを失うことになったのだ。

旅は人生に似ている。以前、私がそんな言葉を眼にしたら、書いた人物を軽蔑しただろう。少なくとも、これまでの私だったら、旅を人生になぞらええるような物言いには滑稽さしか感じなかったはずだ。

しかし、いま、私もまた、旅は人生に似ているという気がしはじめている。たぶん、本当に旅は人生に似ているのだ。

どちらも何かを失うことなしに前に進むことはできない。

~引用終了~

うーーん、深い。

なんて、透明で澄んだ良い文章なんでしょう。

旅は人生に似ている・・なんだか私のブログのタイトルに似ていますね。

っていうか、私が沢木耕太郎さんからパクったのかな。笑

私が海外一人旅に出るのも常に子供の時に感じたワクワクする気持ちを忘れたくないからであります。

日本人として産まれ、生まれ育った地域で日本人の常識に基づいて安定した暮らしを営む・・これは大変素晴らしいことだと誇りに思います。

しかし、それだけでは何かが圧倒的に足りない感じがするんです。

ワクワクしないんですね。

昨日と今日が全然違う日でありたい・・いつもこう思っています。

昨日と今日でいる国が違う、いる街が違う・・これは大きなワクワクの源泉です。

人生にはお金に代えられないものがある。

お金では買えないものがある。

だからこそそれを求めて旅をしたいと思っています。

深夜特急'98 飛光よ!ヨーロッパ編4-1