人生とは旅である

日々の体験を通して考えることを大切にしていきます。

メキシコの漁師の話と全米オープンテニス

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全米オープンテニス女子シングルス決勝で大坂なおみがセリーナ・ウィリアムスを破り、日本人としてテニス4大大会初優勝を成し遂げた。
おめでとうございます。

試合後の大坂選手のインタビューが個人的になかなか面白いと思った。

-今晩のお祝いは何

大坂 寝ること! たぶん、ビデオゲームかな。

-ずっと、お姉さんに初めて勝ったときが、テニス人生最高の勝利だったと言っていたが、これは上回ったか

大坂 そうね、そう思うわ。

-毎朝、サーモン・ベーグルを食べていたけど。

大坂 今日の朝も食べたわ。でも、何でも食べてもいいなら、トンカツ、カツ丼、カツカレーに、抹茶アイスが食べたい。

全米オープンテニスで優勝し、賞金380万ドル(約4億1800万円)を獲得して一躍時の人となったスターのお祝いが『寝ること』そして、『トンカツ、カツ丼、カツカレーに抹茶アイスを食べること』だそうである。

これらの夢を叶えるだけなら5000円あれば十分にできる。寝るだけなら無料だし、トンカツ、カツ丼、カツカレー、抹茶アイスそれぞれ1000円もあれば食べられるからだ。

死ぬほどスポーツを頑張り、強敵をばったばったとなぎ倒して数億円の賞金を手に入れたご褒美がいつもよりゆっくりと寝たり、数千円で手に入るような美味しいものを食べたりするだけだなんて・・まさに人生が暇つぶしであることを証明している。

このインタビューを聞いていてメキシコの漁師の話を思い出した。

メキシコの田舎町。海岸に小さなボートが停泊していた。
メキシコ人の漁師が小さな網に魚をとってきた。
その魚はなんとも生きがいい。それを見たアメリカ人旅行者は、

「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの」 と尋ねた。

すると漁師は

「そんなに長い時間じゃないよ」
と答えた。旅行者が

「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなあ」
と言うと、
漁師は、自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だと言った。

「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの」
と旅行者が聞くと、漁師は、

「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子どもと遊んで、女房とシエスタして。 夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって…ああ、これでもう一日終わりだね」


すると旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。


「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、
きみにアドバイスしよう。
いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。
それであまった魚は売る。
お金が貯まったら大きな漁船を買う。そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。
その儲けで漁船を2隻、3隻と増やしていくんだ。
やがて大漁船団ができるまでね。
そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。
自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。
その頃にはきみはこのちっぽけな村を出てメキソコシティに引っ越し、
ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。
きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ」

漁師は尋ねた。

「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」

「二〇年、いやおそらく二五年でそこまでいくね」

「それからどうなるの」

「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」
と旅行者はにんまりと笑い、

「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」

「それで?」

「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、
日が高くなるまでゆっくり寝て、 日中は釣りをしたり、
子どもと遊んだり、奥さんとシエスタして過ごして、
夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、
歌をうたって過ごすんだ。 どうだい。すばらしいだろう」