自分や他人がどんな仕事をしているのかということは多くの人が気になるところである。
人は仕事によってその人のイメージを形作るというところがある。
裁判官、警察官、看護師、教師、医師、大工、牧師、プログラマー、システムエンジニア、詐欺師、介護士、漁師・・など世の中の仕事の種類は多岐に渡りそれぞれの職種に応じたイメージが形作られている。
私は裁判官ではないからよく知らないが裁判官というとお堅いイメージを持ってしまうのはとめようがない。
こうした固定観念みたいなものは確かにごく一部は当たっているかもしれないが実はほとんど何の根拠もない間違ったものであると思う。
イメージが当たっている、当たっていないとか正しいとか間違っているとかを問題とするよりもその人が何者であるのか分析することが重要だと思う。
他人を分析するのは難しいからまずは自分を分析する必要がある。
自分はどんな良いところを持っていてどんな弱点があるのか?
どういう特徴を持っていてどんな病気を持っていてどんな性格なのか?
どんなことが好きなのか?逆にどんなことが嫌いなのか?
徹底的に分析することでその人そのものが見えてくる。
まずは自分を徹底して分析し、自分が何者であるかを見極めた上で、他人を分析していく。
職場に行けば、自分と同じ職種の人と会う事が多いはずなのでまずは同じ職種の同僚や上司を分析してみる。
そうすると同じ仕事をしている仲間が似ているようで全然違うことに気付くはずである。
それぞれがそれぞれの個性を持っていることに改めて気付けるはずだ。
仕事に対して真面目か不真面目か、明るいか暗いか、根に持つか根に持たないか、細かいか荒っぽいか、短気か気長か、ストレスに強いか弱いか、仕事重視かプライベート重視か・・色々な視点から他人を分析していくと人間の奥深さが徐々に見えてくる。
結局のところ地上に生きている人間は皆それぞれ全然違う。
同じ職場で同じような職種の仕事をしていても個々にしっかり見てみると全く違う個性を持っていることがわかる。
人間は決して一括りにできない存在なのである。
だからこそ個々を尊重しなければいけないのだ。
人間がアメーバのように自分の身体を分裂させて増殖しているのなら、個々の基本的人権などというものはないがしろにしても問題がないだろう。
自分も他の人も固体が別れているだけで本質的には同じ(遺伝子)だから。
しかし、人間の場合は全員が全く違う個性を持つ。
一卵性双生児などでほぼ同じ遺伝子を持っていても育つ環境が微妙に違うのでやはり違う個性を持つようになる。
相手を理解することは非常に困難なことである。
相手のことはほとんど何もわからないと言っていいかもしれない。
だからこそ自分のことは少しでも知る努力をすべきである。
自分をよく知るために自分をよく分析して、自分が見えてきたら自分の限界を見極め諦めるべきことを見極めなければいけない。
自分は自分である以上、他人ができること全てを同じように行えるはずがない。
他人にできても自分ができないことは山ほどあるし、自分ができても他人にできないことも山ほどある。
自分と他人との間に立ちはだかる断崖絶壁の前に絶望しながらも他人を個人として尊重できるように努力しなければいけない。