人生とは旅である

日々の体験を通して考えることを大切にしていきます。

見ざる聞かざる言わざる

職場で問題なく平穏無事に過ごしたい場合、絶対に実行すべき心構えは「見ざる聞かざる言わざる」である。

この言葉は日本人なら小さな子供から死ぬ間際のお年寄りまで誰もが知っていて意味も内容もよくわかっていながらなかなか実行できている人が少ないのが現実だ。

職場もプライベートも「見ざる聞かざる言わざる」を実践していればまず間違いなく平穏無事に過ごせることだろう。

私も30数年生きてきてこの言葉の持つ意味の重さに再度はっとさせられている毎日だ。

他人を傷つけたり、他人との関係を悪化させたりする原因はほとんどすべてこの教訓を実行に移せなかったときに起こる。

職場で見たことを他の同僚についついうっかりとしゃべってしまった。それにより最終的に問題がこじれたり、人間関係が悪化したりしたというような事例は枚挙にいとまがないからである。

職場ではすべての同僚や上司に対して「遠い他人」とも言うべき距離を置くように気を付けて「見ざる聞かざる言わざる」の教訓を意識しているのが良い。

我々が「遠い他人」に対して敵意を抱くことなどまずない。

国家同士で見ても韓国や中国や北朝鮮に対して悪い感情を抱いている人はたくさんいるがスウェーデンデンマークノルウェーアイスランドほど遠いところにある国に対して本気で「コノヤロー」と思っている日本人はまずいないのではなかろうか?

周りを見渡しても「ノルウェーの馬鹿野郎」とか「私はアイスランドが本当に大嫌い」とか言っている人を見たことがないし、デンマークスウェーデンに敵対心を燃やして本気で潰しにかかっている人(サッカーなどのスポーツを除く)もまだ見たことがない。

結局これは人間関係においても全く同様にあてはまることで、自分の職場以外の全然見も知らないどこかの職場の他人に対して本気で「コノヤロー」と思いながら仕事をしている人がいるとしたらその人の頭はちょっとおかしいのだ。

人間とは関わりがなかったり、全然知らなかったりする人に対して怒りを持たないようにできている。

その代わり身近な人で自分に影響を及ぼしうる人に対してはやたらに敵対心を燃やしたり、ライバル視をしたりしやすくできている。

この性質を利用して、職場の近い人間に対してできるだけ精神的に遠い距離にいるつもりで関わっていれば問題は少なくて済むはずなのだ。

職場で起きたことはできるだけ見ないようにし、周囲からも余分なことを聞かないようにし、それらを周りに言いふらさないように心掛けているだけで平穏無事にいられる。

どうせ我々は100年足らずで一人残らずこの世から消えていく運命にあるのだ。

とりわけ職場で起こることなど取るに足らないどうでもいいことのオンパレードなのだから「見ざる聞かざる言わざる」を実践し何もなかったかのごとく振る舞っているくらいでちょうと良いのである。

自分が存在しなくても職場は無事に回っていくという事実をもっと多くの人が共有することで互いが生きやすくなるのならそれに越したことはないと思う今日この頃であります。