人生とは旅である

日々の体験を通して考えることを大切にしていきます。

騙す方が悪いのか?騙される方が悪いのか?

インドに行くとこの命題に悩まされることになる。

インドには詐欺師が余りにも多くいすぎるからである。

現地を一人で旅すると多くの日本の同胞達に出会うが何人かと話すと必ず騙されたぼったくられたと言う話になるはずだ。

インドでは完全に日本人が現地人詐欺師のカモになっており信じられないほど多くの人が詐欺に合っているのだ。

それだけ日本人は物事を信じやすいという事なのかもしれない。

確かに日本では物事が基本的に性善説で動いていると言っていい。

日本で普通に生活している限りよほどの事がなければ騙されたりぼったくられたりすることはないだろう。

オレオレ詐欺に引っかかる位の人は別だが普通の注意力あれば詐欺を未然回避できる。

ところがインドでは少し事情が違う。

彼らはあまりにも簡単に嘘をつきすぎていてもはや何が真実なのかわからないほどなのだ。

詐欺師でない普通の人までもが当たり前のようにハッタリをかまして平然としている国なのだ。

嘘をつくなという方が無理な話だ。

だから職業としての詐欺師のレベルは必然的に高くなるのだ。

奴らはだいぶ手の込んだ嘘を付いてくる。

よく考えるとどう考えても怪しいのだが、彼らがあまりにも戸惑うことなくスラスラと嘘をつくものだからだんだん本気になってきてついには信じてしまうという失態を犯す日本人が多いのだ。

本気で信じ込んで騙された日本人はその代償として高いツケを払わされることになる。

睡眠薬を盛られて眠らされて全財産を持っていかれたり、狭い部屋に監禁されてパスポートを取り上げられて何万円も払わされたり、詐欺グループによる賭博で財布が空っぽになるまで擦られたりと散々な目に遭う人達がたくさんいるのだ。

こうしたトラブルを避ける唯一の方法があるとしたら向こうから話しかけてくる奴は徹底的に疑うことだ。

日本では親切心のみで声をかけてくる場合もあるがインドではまず絶対にと言っていいほどない。

何か下心があるから話しかけてくるのだ。

ここをわきまえていればそれほど大きな詐欺にあうことはない。

もちろん数百円レベルの詐欺は避けられないがそれ位ならかわいいものだ。

インドに行くと来て数日で詐欺に遭い数万円を騙し取られた日本人などゴロゴロいる。

それに加えて強烈な下痢や高熱などの体調不良に見舞われるというダブルパンチ、トリプルパンチで瀕死の状況に陥っている日本人もいる。

インドでは詐欺は全く日常の光景だ。

騙す方が悪いという日本の性善説的価値観などまるで通用しない。

彼の地では確実に騙される方が悪いのだ。

歩行者優先の日本はじめ先進国の価値観が車優先の中国はじめ東南アジア諸国やインドなどで通用しないように詐欺師が大手を振るって歩いている国では詐欺される側が轢かれないように四方八方に気をつけて歩かねばならないのだ。

かなり精神的に消耗する国だが逆にこういうところが面白いと魅力に感じる人もいるから世界は広い。

私は騙すのも騙されるのも苦手だから日本の方が居心地がいい。

しかし、逆にインドでは正直者は馬鹿を見るから馬鹿正直な人は生きにくいことだろう。

この世に絶対などという物はなく全ては相対的な物なのだ。