YAHOO知恵袋などの人生相談の回答でよく見かけがちなのが明石家さんまの「生きているだけで丸儲け」という言葉である。
この言葉、聞こえはいいが私はあまり好きではない。
なんだかこの言葉、凄く嘘くさくて欺瞞的でしっくりこないのだ。
落ち込んでいる時に他人から「生きているだけで丸儲けですよ~。」などと真顔で励まされたら、とりあえず笑顔で「本当その通りですよね~。生きているだけで儲けものですよね(笑顔)」などと答えてみるものの心の中では「何が丸儲けだ。このクソが!!」と毒づいてしまうこと間違いなしである。
生きていることがそんなに素晴らしいことなんだろうか?
私にはとてもそう思えない。
少なくとも私に関してはとても「生きているだけで丸儲け」などと簡単に言えないほど人生とは複雑でつらく苦しいものである。
しかし、他人から人生相談を受けたら迷わず「生きているだけで丸儲けだとさんまが言ってたよ」とでも言ってはぐらかしてしまうことだろう。
心の中では激しく毒づきながらもついつい逃げの一手としてこの言葉を使ってしまう気持ちはわからなくない。
現実を見ると生きているよりも死んだほうが丸儲けな気もする。
死んでいるよりは生きている方が苦しい気がするし、生きている方が損な気がする。
生きているだけで儲けているどころか、生きているだけで大損をこいている気がする。
そう思いながらも他人に向けて発する言葉としてはそう素直に言えないからあたかも生きているだけで何か得をしているかのごとく語ってしまう。
これは明らかな欺瞞であり、詐欺行為である。
しかし、明日からも私は他人に対して真実を語らないことだろう。
ほぼ確実に起こりえないことだと思うが他人から深刻な悩みを打ち明けられたり、自殺しそうな人を見かけたりしたら「生きているだけで丸儲けですよ。」などと大嘘を言ってしまうかもしれない。
人生とは嘘の塊である。
嘘をつかないと損をするからである。
しかし、私はこの言葉が嫌いだ。