自分がこの世からいなくなると想像することは不思議なことである。
別に明日死んでしまっても全く構わないと思っているのに、なぜか寂しい感じがしてしまう。
そう思いながらも確実に誰もが数十年後に死んでいかねばならないことを知っている。
しかし、誰も明日死ぬとは思っていない。
見ず知らずの他人が私の部屋の中を見た時にどんなことを思うだろう?
とても不思議な感じがするはずだ。
私にとっては全て意味のあるもので溢れていたとしても他人にしてみれば全てゴミのようなものばかりである。
なんでこんなものがここに置いてあるのだろう?とかなんでこんな(つまらない)本を読んでいたのだろう?などと思うはずだ。
私にとって意味あるもの。
これは極めて個人的な感覚に基づいたものであり、他人に感覚的にわからせるのは至難の技である。
私が面白い本も面白い映画も好きな物も他人にとっては好きになれないのが普通である。
自分にとって自分はとても大切なかけがえのない存在だが他人にとってはうとましい存在だったりする。
自分が消滅しても実は誰も困らないと知っていながら誰もが現世にしがみつこうともがく。
例え痛みや苦しみを伴わずに楽に逝ける状態にあっても心のどこかで「まだ死にたくない」と思ってしまうのが人の性である。
面倒臭いけど今日も仕方なく生きるか。