職場の居心地が悪い。
職場にいるととにかくなんか凄く落ち着かない。
仕事自体も好きでないし、人間関係も微妙で疲れる。
夏目漱石はこんなことを言った。
「智ちに働けば角かどが立つ。情じょうに棹さおさせば流される。意地を通とおせば窮屈きゅうくつだ。とかくに人の世は住みにくい」
これは、真理だと思う。
なんで、社会生活ってこんなに疲れて面倒くさいのだろう。
誰とも関わらずにひっそりと暮らしたい。
そんなことを思って脱サラして田舎で就農しても失敗することが多いらしい。
なぜなら、田舎には旧態依然の「ムラ意識」がしっかり残っており、閉鎖的で人間関係が濃いからである。
会社の人間関係にウンザリして田舎で半隠遁生活を目指して引きこもろうとしても逆効果だということである。
結局生きている以上、「嫌で面倒くさい」人間関係は避けて通れないということである。
そんな中で「自分らしく」ありたいという欲を持つのであれば一定の人からは「嫌われる」ことが必ずあり、その状態に耐えなければいけないということである。
職場の居心地が悪いという状況は普遍的に見られる状態だと思う。
逆に居心地が良くてたまらないという職場にいたら要注意だ。
誰かしらの我慢や犠牲のもとにかろうじて成り立っているだけのものだろう。
基本的に人間は我儘だ。
誰もが自分らしくありたいと思っている。
それを押し殺して我慢するか、貫いて発散するか、ほどほどに妥協していくかである。
どの道をとっても険しい。
夏目漱石の残した名言は真理をついている。
だからこそ彼はかつて1000円札に印刷されていたのだろう。