phaさんの「しないことリスト」を再読する。

- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2015/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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何度読んでも読むたびに素晴らしいなあ、優れているなあと思う本である。
phaさんは京大出身のエリートだが正真正銘のインテリだと思う。
文章から頭の良さがひしひしと伝わってくるし、心の底から共感できる。
私は、日本国内を覆っている「○○しなきゃダメだ」「人生を充実させるために○○すべきだ」みたいな発想が嫌いである。
私は過去に「仕事とはただの暇つぶしである」と言う記事を書いていまだに最も良く読まれているのだが、仕事なんて別にしなくてもいいとすら思う。
人間はただ何もしないで無為に過ごすことが耐えられないし、誰かの役に立って認められたいという自己承認欲求があるからこそ働いているだけなのだ。
確かに自分がより良く便利・快適に生きる為に他者の仕事は一役をかっている。
しかし、生活における仕事への比重が高まり過ぎてあれもこれもしなきゃいけないからと仕事に振り回されて疲弊するのはおかしい。
はっきり言って今の日本は便利で快適過ぎるのだ。
もっともっと仕事を制限してさぼって不便になればいい。
かつて携帯電話が普及する前の固定電話が主流の時代を私はぎりぎり知っているが世の中は特に問題なく回っていたのだ。
物なんてなければないでなんとかなるものだ。
絶対にこうしなければいけないとか、絶対にこうあらねばならないとか、絶対にこれがなければいけないなんてものはこの世にほとんどないのだと思う。
人々が働くことで便利・快適になった結果いつの間にかその状態が当たり前になり、かつては必要なかったものが不可欠な存在であるかのように思い込まされているだけなのだ。
自分が自分らしく良く生きたいのなら仕事を中心としてすべきことを考えるよりもすべきでないことやしないことリストを考える方が良い。
職場に行けば必ずやらなくても良いような無駄な仕事をしている人や仕事にしか生きがいを見いだせない社畜と呼ぶべき人がいるものだ。
こうした人の中には自己承認欲求が強くて他者からの評価を気にして(無駄に)頑張っている人も多いが私から見るととても残念な人に写る。
ただ自分だけが頑張るのなら良いが同僚や上司を巻き込んで明らかに必要のないことまでさせようとする人は大問題だ。
それならまだ、働かない怠け者のほうがずっと無害である。
仕事はただ頑張れば良いというものではない。
時にはあえて仕事をしないという勇気のある決断が必要だと思う。
本来は仕事なんて片手間でいい。
自分がやらなくても他の誰かがやるだろう。
人間とは無為に生きられない生き物だ。
誰だって頑張って評価されたがっている。
しかし、殊更それをアピールされるのはウザイものだ。
ここら辺のバランス感覚を大切にした上で納得できる仕事ができるように頑張れば良い。
最近の世の中はなんでもスピード重視で早く決めることが良いことであるかのような錯覚を持たされている。
しかし、はっきり言って大間違いだ。
他人がやってほしくないことはあえてやるなと言いたい。
政治の世界で顕著だが現実主義だとしゃしゃり出てきて具体的な解決策が出せないなら対案を出せみたいなことを言う人もいるがウザイ。
むしろあんたが引っ込んで黙って大人しくしていれば物事は万事順調にいくんだよと言いたくなることがある。
現実主義は曲者だ。
現実主義者は現実ばかり見て問題をすぐに解決することばかり考える。
しかし、よく考えればわかるとおり完全な解決などこの世にはない。
虚しいことだが物事を解決したつもりになって人はあっという間に死んでいくのだ。