いつ死んでもいいという思いが強くなる時がある。
今すぐ死んでも後悔しないと思えるのは幸せだ。
20歳くらいの頃から自分の人生に絶望的な気分に襲われるときがあり、厭世的になっていた。
その後10数年生きているが、本当に生きていて良かったのかどうかは未だによくわからない。
そう考えるといつ死んでも問題ない気がしてくる。
今死んだとしても、生き残ったとしても将来の自分は特になんとも思わないのではなかろうか?
あの時、死ななくて良かったなと思う事もあれば、あの時死んでいれば良かったなと思う事もあるかもしれない。
そういうゆらぎを経て最後は死んでしまってすべては無に帰するのだろう。
汗水垂らして働いた仕事の成果も、一生懸命貯めたお金も、旅で得た仲間や思い出も全て消えてしまう。
しかし、これでいいのだろう。
人生とはそういうものだ。
人生で何をなしたかは問題でないと思う。
全ては無に帰するのだから。
物事に執着せずに「今」だけを自分に忠実に生きられるかどうか。
「今」は確かに大事だが、その今すらいつの間にか無に帰する。
死を身近に感じられることは良い事だ。

- 作者: 中島義道
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