人生とは旅である

日々の体験を通して考えることを大切にしていきます。

哲学は何の役に立つのか?

アメリカ大統領選でまさかのトランプ氏が勝利!いったいアメリカはどうなるのか?得票数はヒラリー氏が20万票くらい多いのに選挙人の数が少ないため敗北って変な制度だなーーと思ったのは私だけではないでしょう。

今日も職場でおかしいことがあったので真正面から正論をぶっこいて戦ってきました。

どうにもおかしなことをおかしなまま放置することが許せない性格のようです。そして、おかしなことを言ってる人に対してどこがどうおかしいのかを理論的に説明し、正さないと納得できないのです。

本当に「多数派」も「組織」も「みんな」もよく間違うものです。そして、その間違いは誰かが勇気を持って正さない限りそのまま放置されておかしな風習として支配力を持つことになる。私はこうしたことが絶対に許せない性質です。別に今日死んでもいいと心の底から思っていますし、人生に後悔もしていませんので変なことには徹底的に食い下がります。

トランプ氏の過激な発言がアメリカを分断させないことを祈るばかりです。アメリカ人同士が国内で対立し合い、互いに排除し合うのではなく、できるだけ平和的な共存を目指して安定した国を作ってほしいと思っています。

さて、今回も中島義道さんの「哲学の教科書」より・・

哲学の教科書 (講談社学術文庫)

哲学の教科書 (講談社学術文庫)

~本文引用 p253~

第4章哲学は何の役に立つのか

最後に、以上のことすべてを完全に洞察していたモンテーニュの言葉を挙げておきましょう。

われわれは言う。「彼は無為の中に一生を過ごした」「僕は今日何もしなかった」と。冗談ではない。君は生きたではないか。それこそ、君たちの仕事の根本であるだけでなく、その最も輝かしいものではないか。「もし、大事業をする好機が与えられたなら、ぼくもこの腕前を見せてやったのに」と君は言うが、もし自分の生活を考え導くことができたのなら、それだけで君はあらゆる事業のうちの最も偉大な事業を成し遂げたことになる。われわれの偉大で光栄ある傑作とは、ふさわしく生きることである。そのほかのことは、統治することも、お金を貯めることも、家を建てることも、皆、せいぜい付帯的二次的事柄に過ぎない。

~引用終了~

読み返すたびに、なんと正しくて説得力のある言葉なんだろうと感動を覚えます。

最終的には人間なんてものはただ生きているだけなのです。仕事なんて本当にどうでもいいことなのです。

仕事にかまけて生きているとついそのことを忘れてしまい、自分を見失うことになります。

哲学とは人生の本質を見失わせないような強い大木(たいぼく)として役に立っているということなんでしょうね。