人生とは旅である

日々の体験を通して考えることを大切にしていきます。

羨ましいさという感情

自分自身には毎日失望しているし、絶望的な気分の日も結構あるけど他人が羨ましいとかあまり思わない。

いや、かつての自分はやたらに周りの人間が羨ましかった。

自分は悩みだらけで問題だらけで欠陥だらけで他の人は何も悩みがないような錯覚を持っていた。

当時は確かに他人に対して羨ましいと思う事が多かった。

しかし、30代も半ばに差し掛かる最近は「他人の人生も所詮たいしたことないな」と思うようになった。

職場に行っても街を歩いてもテレビを見てもあまり羨ましいと思う人がいないものだ。

あの人にもこの人にもなりたくないなあと思ってしまう。

どの人生をやっても面倒くさそうな気がしてしまうのだ。

確かに自分自身の人生も他人に負けず劣らず面倒くさく、だるいことは間違いない。

だからと言って他人の人生が手放しで素晴らしそうな感じもしない。

自分と同様に他人にも明確な欠陥があるものだ。そして、それで良いのである。

人生が完璧だったなら死ぬことに耐えられないだろう。

人生は欠陥だらけであり、不幸に覆われているからこそ死ぬことを受け入れていくことができる気がする。

私はとりわけ物欲というものが弱いので高級車や豪邸やブランド物などいらないし、お金に興味がないので必要最低限のお金さえあれ幸せだし、人間嫌いで性欲も強くないので彼女やら恋人やら結婚相手やらもほしくない。

こうした自分だからこそ何か目に見える「良さそうな物や人」を手に入れている他人が羨ましくないのである。

そして私はこうした自分が結構好きなのだ。

最近は日本に生まれてきて良かったのかもしれないと思っている。シリアやイラクやインドやアフリカ諸国に生まれてくるよりもマシなことは確かだ。

日本に移住したくてたまらない外国人、日本に生まれてきたら良かったなあと思っている外国人は世界中にたくさんいることだろう。

人生とは基本的にそれほど幸福なものではないと思う。たまに幸せな気分になれるように毎日を大切に生きていけば良い。