会社内で昇進するコツは何なのか?それはいたって簡単なことである。
『上司が黒いものを白いと言ったとしたら、自分も同じように黒い物でも白いと言うことである。』
これができれば少なくとも上司に嫌われないし、昇進も早いことだろう。仕事を頑張れば昇進できるわけではない。とにかく汚くなること。上の人がどんなに馬鹿なことやおなしなことを言ったり、やったりしていてもそれに立てつかずおとなしく従うことが何よりも大切である。
いや、それでも黒い物はやっぱり黒いんじゃないの??と思っても取り合えず上司が白いと言っているのだから白いんだ!!と言ってしまえる強かさがないと昇進できない。この社会では正直な人は嫌われるのだ。
人は誰だって自分に従ってくれる人が好きである。とりわけ、黒い物でも白いと言って尻尾を振って昇進していった上司からしたら同じことをしない部下は可愛くない。世の中にはおかしなこと、間違っていることのオンパレードである。上の立場に立てば立つほど、嘘をつきまくらなければ生きていけなくなる。そして、自分がつく嘘に自分自身が耐えられなければその立場を維持していくことができない。
そこで、馬鹿正直な部下に筋を通されて間違っているなどと言われた日にはプライドがずたずたになり、部下を恨むようになる。能力が低くてもおとなしく自分に従ってくれた部下が可愛く見えてくるのだ。世の中とはそうした人間臭い感情がマグマのように吹きあがっている場所である。公平公正で公明正大な評価などないのだ。世の中の多くが私的感情で決まるのである。
昇進したければ上に立つ人の感情を害さないようにすることである。それさえできれば安泰だ。私のように『おかしなことはおかしい』とはっきり主張し、『黒い物は黒い』と真正面から主張する人は確実に上にはあがらないことだろう。私は人間が生きている意味なんて全然ないと思っているし、人間の社会を維持することに意味を感じていないのでそれで良いのだ。人間の社会も魚の社会も蜂の社会も蟻の社会もしょせん似たようなものであり取るに足らない無意味なものだと思う。
とにかく、平安無事に生きたければ徹底的にイエスマンになること。これが最も大事な要素である。今の政治家を見てみればわかる。上に上がりたければ黒い物でも白いと言えなければダメなのだ。人間の社会とはそういうところなのだから。