動画で高須幹也先生(美容外科医)が言っていたのだが、美容外科医は華やかなイメージがある一方で、非常にストレスが溜まる仕事らしい。自分自身もそうだし、周りの医者も学会で会った美容外科医も異口同音にストレスが溜まることを口にするそうである。
ストレスが溜まる具体的な理由を高須先生は特にこれと言って述べてはいなかったのだが、推測するに、クレームが多いことが一つの大きな要因になっていると想像する。
医師の側は事前の患者の要望通りに手術を完璧にこなし、成功したと思っても、患者の側はまったく納得しておらず、怒ったり、クレームをつけてきたりすることがあるからだ。いわゆる世間一般の多くの仕事というのはお客様にサービスを提供して感謝してもらうという一連の流れがあり、それが労働者の側にとって一つのモチベーションになっていることが多い。
医師という仕事も同じで、普通の医師は患者を診察して薬を出して病気が治れば喜んでもらえるし、手術をして成功すれば感謝してもらえることがほとんどだ。しかし、美容外科医の場合は、美容というあくまでも主観的な世界の贅沢手術であることが多いため、成功か失敗かを決めるのはどちらかというと患者本人であり、容易にクレームをつけられやすい。
患者の側としてはこんな顔にしたくはなかったのに、なんでこんな風にしたんですか?と美容外科医に言ってくることはよくあるようだ。事前に詳細に説明しても患者のイメージと医師のイメージに食い違いが起こることはあり、感謝されるどころかクレームになってしまうこともあるため、大変にストレスが溜まるようだ。
普通の医療は保険診療が適用されるのに美容外科は自費診療であることもこうした事態に拍車をかけている。高いお金を払ったのに、思ったのと違えば納得がいかない気持ちもわからなくない。だからこそ、より慎重にカウンセリングと手術を行う必要があり、アフターケアを行う必要がある。なかなか厳しい世界である。確かに美容外科医は稼げる仕事なのだろうけれど、こうした凄まじいストレスに耐えられねばならない。
明らかに向き、不向きがあるだろう。よくやっているなあと感心する。私には絶対できないことの1つである。