私が大好きな講演家の鴨頭嘉人さんが、大変素晴らしいことを言っていて涙がでそうになった。
それは、聞く力と話す力はイコールだよということを振り子の原理を使ってわかりやすく解説しているからである。
私はこの話ほど世の中の真理と核心をついたものはないと思った。
例えば、魔の巣窟である職場という場所に行くと・・
自分のことばかりぺらぺらと話して全く相手の話を聞こうとしない上司や同僚に遭遇するという体験をするからである。
よくよく考えてみよう。
まったく他人の話を聞く気がない人の話って聞きたくなるだろうか??
なんの商品も届かないのにお金だけ払い続ける人などこの世にはいないのである。
しかし、世の中にはどういうわけか自分は凄いんだーーーーって勘違いし、自分の素晴らしい話をてめえらはありがたく聞けーーとばかりに延々と話してくる残念な人が世の中にはたくさんいるのである。
こういうタイプが上司だと最高に疲れる。何か話しかけるとこちらの話が全然終わらないうちに一方的にああでもないこうでもないとトンチンカンな話を聞かされ続けるはめになるからである。
そして、こういうことをやる人ほど全くといっていいいほど本質的なことをわかっておらず、トンチンカンなことばかり言って話がかみ合わなくなる。
『自分はそういうことを言いたかったわけではなかったのに・・・』と心の中でがっかりとして思う存分エネルギーを吸い取られ、とりあえずわかったふりをして去るしかない。
逆に聞き上手な人とコミュニケーションをとるとすごく楽だし、本質的な議論できてかみ合うことになる。だからとてもスッキリとした気持ちで仕事ができるのだ。
世の中には振り子の原理があるのだ。美輪明宏さんのいうところの正負の法則である。
自分の話をたくさん聞いてほしければ、そのぶん相手の話をたくさん聞かなければならない。
高級なものを買いたければたくさんお金を支払わなければいけないのだ。
世の中不思議なものであたりを見渡してみると見事なほどにこの原理原則が行き届いていることがわかる。人の話をしっかりと聞ける人はやはり、話すのが上手なのだ。
一見ぺらぺらと話す技術があっても全然人の話を聞こうとしない人って何を言っているのかよくわからないものである。言葉の数じゃないのである。話の内容ではないのである。
人の話をいつもしっかり聞こうとしている人の話って自然と聞きたくなるし、人の話をいつも全然聞こうとしない人が話し出すと脳が自然とシャットアウトして内容が頭に入らないようになっているのである。