写真家三井昌志さんの『たびそら』というブログを読んでいたら、大学4年生を休学してアルバイトで(4~5ヶ月で)約90万円を貯めて今年の6月末から世界一周に出た男子大学生が1か国目のインドのジャイプールで旅の開始2週間後に盛大にぼったくられて(被害額約75万円)緊急帰国したという記事が載っていた。
インドジャイプールにおける詐欺の全容については『緊急帰国 しょうご note』で検索すれば出てきますので興味がある方は見てください。
この詐欺を読んでいて思ったのは・・当然ながら
インドでやっちまったか。
脇が甘かったなという思い。そして、自分の過去2回にわたるインドでの死闘を振り返りあの国なら十分に起こりえる話だなーーという感想。
インドという国はぼったくり大国、詐欺師王国だからいいかもである我らが小金持ちの日本国民がちょっとでも気を許すとすぐに詐欺師にタゲられてすっからかんになってしまう国である。これはガチでそうである。
だからとにかくインドという国が初めてでまだよく慣れていないうちは警戒心全開で現地の人間を誰も信用しないくらいのノリで行くのが良いのである。その調子で旅をしていても必ずなんらかのぼったくりは受けるものだ。
とにかく現地のリキシャーが事前契約の金額を守ってくれないのだから。この金額で良いなと念押しして決めておいてもなんだかんだ理由をつけて吹っ掛けてきたり、コミッションの得られるお土産物屋や絨毯屋や洋服屋や旅行代理店に連れて行ったり、追加金額を払わないならここでおろすぞと言ってきたりとにかくどうしようもないぼったくり詐欺野郎がわんさかといる国なのである。
私も現地でどれだけ怒ったかわからない。もちろん怒鳴るほどまでは怒らなかったが強めの言葉で『最初に決めたとおりに行け』くらいのことは何度も言った気がする。
しかし、この75万円を詐欺られたしょうごさんという大学生の方は凄く良い社会勉強をできたものと思い逆に感謝してみたらどうか?と思う。
良い意味でも悪い意味でも予定調和に終わらなかったのだからそれが逆に良いのだ。確かに予定通り計画通り、すべてうまく行って無事に世界一周を終えて帰ってきたとしたらそれはそれで満足な旅にはなるだろう。
でもね・・よく考えてみるとそれがなんだというのだ。そんなことは世の中の多くの人がしていることだ。
逆に1ヵ国目のインドで盛大にぼられて緊急帰国で旅を終了させたなんて経験はなかなかできないものである。
私は75万円の価値が十分にある体験だと思う。日本にいて外に何も出ないで節約ばかりしてオレオレ詐欺で1000万円取られましたみたいな話よりはるかにいい。
まず、インドに出向いて現地人についていって村に連れていかれて警官ぐるみで盛大に騙されたというところが話として面白いのだ。それを自分の身体で感じることができたなんてなかなかできない経験である。
まだ大学生なんだし金なんていくらでも取り返せる。しかも75万円なんてはした金だ。だからこそもう一度挑戦してほしいなと思う。
間違っても失敗を機に保守的になってリスクを取らずに無駄に金を貯めてますみたいなつまらない人間になってほしくない。
チャレンジしている人間はどんな形であれ素晴らしいものだ。とりわけ若いときはたくさん失敗した方がいいのだ。
節約して貯めた数百万円を投資詐欺で騙されましたみたいな中高年はみじめで哀しくもあるが、コツコツ貯めたバイト代をインドで盛大にぼったくられ緊急帰国を余儀なくされましたなんてなんと清々しい話だろうと思う。
私も彼の真似をしなきゃいかんなと思う。もっと盛大にぼったくられよう!