人生とは旅である

日々の体験を通して考えることを大切にしていきます。

ジャズピアノ最高

私はジャズピアノが大好きだ。

これは遺伝的なものであって、私の父親もジャズピアノが好きで、趣味で練習している。

私はピアノはほとんど弾けないが、時折自宅の電子ピアノで簡単な曲を脳の訓練のために練習している感じである。

以前はサックスやトランペットを少しやっていたので、サックスやトランペットはいわゆる簡単な曲なら吹くことができた。

ただし、今はもうまったくやっていないので多分ほとんど音が出ないだろう。

ジャズと言ったら、サックスとトランペットは花形楽器である。

私は17年前にニューヨークに行き、本場のジャズを体感してきた。

その時にニューヨークの『クレオパトラズニードル(CLEOPATRA'S NEEDLE)』というジャズクラブでとある凄腕セミプロミュージシャンのジャムセッションにおける2人のトランペット演奏を聴いて、いたく感動しトランペットをやりたいと思ったのだった。

そこで、帰国後インターネットで安いトランペットとサックスを購入し両方同時に始めたのだった。

サックスは私の大好きなERIC ALREXANDERというアメリカのテナーサックス奏者の影響で昔から好きだったからトランペットと一緒に始めたわけである。

それはさておき、今日you tube動画を見ていたらニューヨークで活動している大江千里が日本のブルーノート東京でライブをした動画が出ていたので見てみた。


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相変わらず下手だなあーーーーと思った。
いわゆるジャズミュージシャンのレベルでは全然ない。

ジャズっぽく弾くポップスミュージシャンのレベルの演奏で、ジャズミュージシャンやジャズピアニストと呼んでしまうといわゆるプロとして活動しているジャズミュージシャンに対して失礼なレベルである。

我々、ネイティブジャズリスナーにとってその人がうまいかどうかなんていうのは秒でわかるのだ。

我々日本人が外国人の話す日本語を瞬時に聞き分けられるレベルでわかる。

なんとなくジャズっぽく弾くのと、いわゆる瞬間即興芸術としてリズムセクションであるベースやドラムのミュージシャンと瞬時に対話しながら優れた演奏をするのではまるで難易度が異なる。

彼のやっている演奏は事前にインプットしたジャズっぽい演奏をただそのままライブで演奏しているに過ぎず、会話になっていない。

外国人が事前に日本語の文章を作成し、少し練習してまあまあ滑らかに話しているような感じなのである。

我々ネイティブジャズリスナーからしたらそのレベルの低さは一目瞭然なのであり、それを知名度を使って胡麻化すようなことはやめてほしいと思うのである。

ジャズとは瞬間即興芸術であって、要求されるレベルがまるで違う。

なんとなく上手にピアノを弾くレベルの人なんていうのはプロアマ問わず世の中にごまんといるのだ。

その中でジャズミュージシャンとしてプロ活動をしていますと言えるようなレベルというのは大変に高く、とりわけ東京で活動しているジャズミュージシャンのレベルは非常に高い。

彼が趣味の愛好家としてジャズを演奏しているというのなら全く問題はない。
また、いわゆる田舎でセミプロとしてジャズを演奏していますというのならまだ許せる。

しかし、ニューヨークでジャズピアニストとして活動していますというのは問題だ。
ニューヨークや東京など世界的に見ても非常にハイレベルな環境でプロ活動をしているジャズミュージシャンからしたら笑われてもおかしくない。

ポップスミュージシャンとして名前が知られているのは素晴らしいことだが、ジャズミュージシャンとしては全然能力がないのだからそこは知名度に頼らずもっと控えめな活動をすべきだろう。

これが私及び多くのジャズリスナー、ジャズミュージシャンが思うことだと思う。

さて、例えば東京で活動している凄腕ジャズピアニストに八木美恵子さんという方がいる。

私は八木さんのピアノが大好きでよく聞いているのだが、まあ大江千里などとは比べ物にならないほど上手い。

アメリカでジャズピアノの勉強をしてきただけあって、アメリカンなジャズピアノ演奏を聴かせてくれる。

彼女は非常にテクニシャンだし、クレバーで音色がよく、リズム感が良い。こういう人を上手なジャズピアニストと呼ぶ。

ベース、ドラムとの対話・・・瞬間即興芸術としての会話も非常に優れている。

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トランペットとサックスの話に戻ろう。

サックスとトランペットのどちらが難しいか?

これは、ジャズを演奏するというレベルではトランペットの方がはるかに難しい。

ジャズ演奏においてサックス奏者はたくさんいるが、トランペット奏者はずっと少ない。

これは単純にトランペットという楽器の操作が難しいからである。

やってみるとわかる。

サックスは主に運指で音色を変えるがトランペットには3本しかピストンバルブがなく、その3本のピストンバルブを押したり離したりするのと同時にマウスピースに当てている唇のアンブシュア(唇の振るわせ方)で音色を変える。

これが大変に難しい。

特にジャズ演奏となると瞬間的に多くの音をださなければならないからハイレベルな作業が要求される。

吹奏楽クラシック音楽のレベルならサックスもトランペットも難易度にたいして差はないのではなかろうかと思う。

ジャズトランペット奏者で言うと例えば数年前に亡くなってしまったニューヨークで活躍した黒人のRoy Hargroveなんかもかっこいい。

下の動画はフリューゲルホーンというトランペットよりも柔らくてまろやかな音色がする楽器(トランペットと運指や唇の動きは一緒)を吹いている。

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トランペットが吹ければフリューゲルホーンも吹くことができる。

自分もトランペットを少し吹いていた頃、フリューゲルホーンやコルネットなども楽器店で試奏したことがあるが、問題なく吹けた。

ジャズサックスも上手な人はめちゃくちゃ上手だし、下手な人は全然下手だ。

リズム感も音程もものすごくレベルの差が出る。

ジャズは難しい。